2005年度JMO予選の解答および簡易解説です。MATHIC会員などの手によるものなので正しい保障はありません。また、ここに載っている解答に関して我々はいっさいの責任は持たないものとします。「その答えは違うよー」などの意見ございましたら、ご連絡ください。
答:6 または 12
条件を満たす最小の自然数は8
中国剰余定理より8+15n(n:整数)の形の整数が条件をみたす。その中で2桁のものは23,38,53,68,83,98の6つ
(数学オリンピック財団によると、「-22」などを2桁の整数として考えた場合も正解とのことです。その場合答えは12になります。また、「-7」を2桁の整数として考えた場合出る7も正解だそうです。)
答:1/5
4x+3y=1と(x,y)の距離は
|4x+3y-1|/(3^2+4^2)^(1/2)=|4x+3y-1|/5
絶対値記号の中身は整数だが中身が0のときは直線上に格子点がある場合なので不適となり|4x+3y-1|/5≧1
逆に(x,y)=(3,-4)のとき距離は1/5となる
答:2^(1/2)
PB=(a^2+1)^(1/2),PO=(a^2+4)^(1/2),OB=1
∠APB=θとおくと余弦定理よりcos^2 θ=(a^4+4a^2+4)/(a^4+5a^2+4)
明らかに0<θ<90かつa>0なのでθが最大⇔(a^4+4a^2+4)/(a^4+5a^2+4)が最小
(a^4+4a^2+4)/(a^4+5a^2+4)が最小⇔1-a^2/(a^4+5a^2+4)が最小⇔a^2/(a^4+5a^2+4)が最大⇔(a^4+5a^2+4)/a^2が最小⇔5+(a^4+4)/a^2が最小⇔a^2+4/a^2が最小
ここで相加相乗不等式によりa^2+4/a^2≧4,等号成立はa^2=4/a^2⇔a=2^(1/2)
答:16807/46656
1回振って和が6になるのは6^5通り、2回振って和が6になるのは5C1*6^4通り、3回振って和が6になるのは5C2*6^3通り…となる
(5C0*6^5+5C1*6^4+5C2*6^3+…+5C5*6^0)/6^6=7^5/6^6=16807/46656
答:15
3つの正整数をa,b,c(ただしa>b>c)とする
36a>12(a+b+c)=abc>ac^2より6>cなのでcの値で場合分けする
c=5のとき、b=6だとしてもa=132/25となりa<bなので解はない
c=4のとき、12(a+b+4)=4ab⇔(a-3)(b-3)=21 b>cに留意すると(a,b,c)=(10,6,4)
c=3のとき、12(a+b+3)=3ab⇔(a-4)(b-4)=28 (a,b,c)=(32,5,3),(18,6,3),(11,8,3)
c=2のとき、12(a+b+2)=2ab⇔(a-6)(b-6)=48 (a,b,c)=(54,7,2),(30,8,2),(22,9,2),(18,10,2),(14,12,2)
c=1のとき、12(a+b+2)=ab⇔(a-12)(b-12)=156 (a,b,c)=(168,13,1),(90,14,1),(64,15,1),(51,16,1),(38,18,1),(25,24,1)
全部で15個
答:3*2^(32/3)
2^a+4^b=2^(a-1)+2^(a-1)+2^2b≧3(2^((a-1)+(a-1)+2b))^(1/3)=3*2^(32/3) (相加相乗不等式)
答:21
a^2-b^2=n⇔(a+b)(a-b)=n
nが奇数のとき、nの2つの奇数の積への分解とa,bが一対一対応
nが偶数のとき、nの2つの偶数の積への分解とa,bが一対一対応
よってそれぞれ2つの奇数の積への分解・2つの偶数の積への分解が一意であるものを探せばよい。
前者は1および奇素数(1から50までに15個)、後者は4および4*(素数)(1から50までに6個)となり、15+6=21
答:1008
4人目の人までが隣り合わずに座れるパターンは■□■□■□■のみ(■に1-4人目の誰かが座る)
3人目の人までが隣り合わずに座れるパターンは
■□■□□■□、■□□■□■□、■□□■□□■、□■□■□■□、□■□■□□■、□■□□■□■
の6通り(■に1-3人目の誰かが座る)
(4!)(3!)+(3!)(4!)*6=1008
答:12°
正三角形AEFを正五角形の内側に作ると、三角形BEFとBEPは
∠BEF=60°-36°=24°=∠BEP
∠EBF=∠ABF-36°=(180°-∠BAF)/2-36°=(180°-48°)/2-36°=30°=∠EBP
BE共通より合同。よってAE=EF=EPなので∠EAP=(180°-12°)/2=84°。∠PAC=84°-72°=12°
答:17160
a=100a_1+10a_2+a_3, b=100b_1+10b_2+b_3, c=100c_1+10c_2+c_3とおくと、
それぞれの値が9以下しかとらないことと、添え字が大きいものに大きい値があったほうがいいということから、
a_1+b_1+c_1=18, a_2+b_2+c_2=18, a_3+b_3+c_3=25を得る。
a_1,b_1,c_1、a_2+b_2+c_2、a_3+b_3+c_3の組み合わせがそれぞれ52,55,6通りなので、52*55*6=17160
答:-19/21
答:2^1926通り
2005本の橋から、木になるように79本の橋を抜き出す。
すると、残りの部分を任意に壊したとき、これら79本の壊し方はただ1通りに定まる。
よって、壊し方は2^1926通り。