2006年度JMO本選の解答です。MATHIC会員などの手によるものなので正しい保障はありません。また、ここに載っている解答に関して我々はいっさいの責任は持たないものとします。「その答えは違うよー」などの意見ございましたら、ご連絡ください。
4の解答はしばらくお待ちください。
MA=MBと円周角の定理から,∠ACM=∠BDMである.ここで∠ACM=∠PCQ,∠BDM=∠QDPなので,円周角の定理からC,D,P,Qは同一円周上にある.
よって,∠CPQ=∠CDQ=∠CDB=∠CAB(1つ目と3つ目の等号は円周角の定理より)であり,同位角が等しいのでPQとABは平行,すなわちXYとABは平行である.A,B,Y,Xは同一円周上にあるので,これらは等脚台形をなす.
XA=YBと円周角の定理から∠AYX=∠BXY,よって∠XYM=∠YXM,すなわちMX=MYである.■
【別解】
正弦定理より,AP = AMsin∠AMD / sin∠APM,AR = ABsin∠ABD / sin∠ARB
また,同様に,BQ = BMsin∠BMC / sin∠BQM,BR = ABsin∠BAC / sin∠ARB
ここで,∠AMD = ∠ABD,∠BMC =∠BACが成り立ち,
また,∠APM = π - ∠DRP - ∠BDM = π - ∠CRQ - ∠ACM = ∠BQMなので(2つ目の等号で円周角の定理を用いた),
AP / AR = (AM / AB) * (sin∠AMD * sin∠ARB) / (sin∠APM * sin∠ABD) = (AM / AB) * (sin∠ARB / sin∠APM)
= (BM / AB) * (sin∠ARB / sin∠BQM) = (BM / AB) * (sin∠BMC * sin∠ARB) / (sin∠BQM * sin∠BAC) = BQ / BR
が成り立ち,したがってPQとABは平行である.以下の議論は同様.■
(a, b, c)=(n, n+1, n(n+1)-k) (ただしnは任意の整数とする)のとき,
(a^2 - k)(b^2 - k) = (n^2 - k)((n+1)^2 - k) = (n(n+1))^2 - k(n^2 + (n+1)^2) + k^2
c^2 - k = (n(n+1) - k)^2 - k = n(n+1)^2 - 2kn(n+1) + k^2 - k
よって,(a^2 - k)(b^2 - k) = c^2 - k
⇔(n(n+1))^2 - k(n^2 + (n+1)^2) + k^2 = n(n+1)^2 - 2kn(n+1) + k^2 - k
⇔((n+1) - n)^2 = 1
であり,与えられた等式を満たす.よって任意の整数kに対して,整数a, b, cの組が無限個存在する.■
yに-f(x)を代入して,f(-f(x)) = f(x)^2 + f(0)を得る.
f(x)が任意のxに対して0のとき,条件を満たすことは明らか.以下,f(a)≠0なる実数aが存在すると仮定する.
xにaを代入して,2f(a)y + f(a)^2 = f(y + f(a)) - f(y).ここでf(a)≠0なので,yが実数全体を動くとき左辺も実数全体を動く.
即ち,任意の実数tに対してある実数u,vが存在して,t = f(u) - f(v)と表すことが出来る.
さて,yに-f(y)を代入して,今までの結果を用いると,
(f(x) - f(y))^2 + f(0) = f(x)^2 - 2f(x)f(y) + f(y)^2 + f(0) = f(x)^2 - 2f(x)f(y) + f(-f(y)) = f(f(x) - f(y))
を得る.
ここで任意の実数はf(x) - f(y)の形で表されるのだから,任意の実数xに対してx^2 + f(0) = f(x)であることが解った.よってf(0)=Cとしたとき,f(x) = x^2 + Cの形しか条件を満たさない.
逆にこの形のとき,
f(x)^2 + 2yf(x) + f(y) = (x^2 + C)^2 + 2y(x^2 + C) + y^2 + C = (y + x^2 + C)^2 + C = f(y + f(x))
なので,条件を満たす.よって答えはf(x) = 0,f(x) = x^2 + C (Cは定数)である.■
【補題】
任意の正の実数a1, ..., an, b1, ..., bn, c1, ..., cnについて,以下の不等式が成立する.
(a1^3 + ... + an^3)(b1^3 + ... + bn^3)(c1^3 + ... + cn^3) ≧ (a1b1c1 + ... + anbncn)^3
また,等号はai : bi : ciがiによらず一定(1≦i≦n)のとき成立する.
【証明】
a1^3 + ... + an^3 = kとしたとき,aiをai/k^(1/3)に置き換えても(1≦i≦n),両辺の比は変わらない.bi, ciについても同様で,
a1^3 + ... + an^3 = b1^3 + ... + bn^3 = c1^3 + ... + cn^3 = 1として良い.このとき,式の左辺は1に等しい.
相加相乗の不等式より,aibici ≦ (ai^3 + bi^3 + ci^3) / 3である(1≦i≦n).よって,
(a1b1c1 + ... + anbncn)^3 ≦ (1/3 + 1/3 + 1/3)^3 = 1を得る.
等号成立条件は今までの議論より,ai^3 : bi^3 : ci^3がiによらず一定であること,すなわちai : bi : ciがiによらず一定であること(1≦i≦n)だと解る.■
n=9とし,a1〜a3にx1〜x3, b4〜b6にy1〜y3, c7〜c9にz1〜z3を,残りにはすべて(1/6)^(1/3)を代入して補題を用いると,
(与式の左辺) ≧ ((1/6)^(2/3) * (x1 + x2 + x3 + y1 + y2 + y3 + z1 + z2 + z3))^3
= (((x1 + y1 + z1) + (x2 + y2 + z2) + (x3 + y3 + z3)) / 3)^3 * 3/4
相加相乗の不等式を用いれば,
≧ 3/4 * (x1 + y1 + z1)(x2 + y2 + z2)(x3 + y3 + z3)
が得られる.ここで,等号が成立するならば,補題の等号成立条件より,
x1 : (1/6)^(1/3) : (1/6)^(1/3) = x2 : (1/6)^(1/3) : (1/6)^(1/3) = ... = (1/6)^(1/3) : (1/6)^(1/3) : z3
でなくてはいけないので,x1^3〜z3^3は(1/6)^(1/3)でなくてはいけない.またこのとき代入すれば等号が成立していることは確かめられる.
よって,A=3/4,等号成立条件はx1〜z3がどれも(1/6)^(1/3)のとき.■