最終更新日: 2003年11月8日(土曜日)
TMOでは毎年の文化祭でいらした方に選りすぐった問題をお出ししています。今年も良問を難易度さまざまに取り揃えました。1問でも解かれたらお近くのMATHIC会員にお知らせください。その場で当否を判定いたします。問題は、10番を除いて、1問につきトライマスロンポイント10点です。メールで答案をお送りいただければ、採点をして結果を返信しますので、そちらもご利用ください。
<問>頂角がそれぞれ30°,150°の二つの二等辺三角形AとBがあります。これらは底辺が等しく、高さを足すと1になります。これらの三角形の底辺の長さを求めてください。
図のようにAとBを底辺でくっつけると対角線が互いに垂直な
<答>四角形(凧形)になります。
この四角形の右半分を切って、左半分にくっつけると、
30°,75°,75°の2等辺三角形が出来ます。これの面積は1×1/2 ÷2=1/4.これは凧形の面積と等しいので、底辺は1/4×2÷1=1/2。
答:1/2
<問>規則性を見つけて答えてください。
CAT=1371、DOG=2398、FISH=93763のとき、MATH=?
<答>これは、A=0,B=1,C=2,D=3,・・・,X=25というようにA〜Xに0〜25の番号をつけ、26進法で読んだものです。(アルファベットは26文字)
例えば、CD=23(26進法)=2×26+3=55となります。
アルファベットは、ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZと並んでいるので、
M=12,A=0,T=19,H=7なので、
MATH=12×26×26×26+0×26×26+19×26+7
=211413
答:211413
<問>次の数の列の規則性を見つけて、□に入る数を当ててください。
2,4,8,7,5,10,11,□,8,7,14,・・・
<答>2,4,8とくれば、16,32,64,・・・ですね。
16,32,64を7,5,10の下などに書いた人はこのあたりでもう分かったでしょう。そう、各桁の和を取ったものになっているのです。
128に対しては、1+2+8で11,256に対しては、2+5+6で13.
よって□に入るのは13になります。
<問>図のようなマス目に9個の異なる1以上の整数を入れて、縦横斜めのどの列の3つの数を掛け合わせても等しい値になるようにします。このとき、その「等しい値」は最小でいくつでしょう。
<答>答は216です。これを証明しましょう。まず、
3 4 18
36 6 1
2 9 12
のようなものがあるので、216未満のものがないことを示しましょう。
それぞれの数が素数pで何回割り切れるかを考えます。(ただし、9つの数のうちどれかはpで割り切れるとします)
このとき、それらはたて,横,ななめの和が等しくなります。
(例えば、上の方陣で言うならば、p=3のとき
1 0 2
2 1 0
0 2 1
となって、確かに縦横ななめの和がすべて3になっています。)
その「等しい値」が3以上であることをまず示します。
まず、0だとすると全て0になり矛盾。
1だとすると、0と1のみをつかって作らねばならないがそれは明らかに不可能(少し調べれば分かります)また、あるpについてみたときの和の「等しい値」が2だったとする。
するとこれは0と1によってのみ作られていることがすぐわかる。
これも作れないことが明らかなので、
次に、上のようなpの個数が何個であるかによって場合分けします。
(1)一つのとき
そのとき、pを2にするのが明らかに最小ですが、このとき全て異なる数でなければならないと言う条件により、(0+1+2+・・・+8)/3=12なので212以上。
(2)2つのとき
上で示したことより2333=216以上。
(3)3つ以上のとき、
233353(>216)以上。
212>216なので示された。
答:216
<問>2桁の整数に対し、次のような操作をします。
(操作)その数を並び替えて最大になるもの−最小になるもの
にその数を置き換える。置き換えた数が2桁でなければ、そこで操作を終了する。
実は、どの2桁の整数に対してもいつか操作が終わります。では、最多で何回かかるでしょう。
<答>まず最初にお詫びです。文化祭一日目の採点で、本当は5が正解のところを4が正解としていました。申し訳ありませんでした。
まず、最大になるものを10a+bとおくと、最小になるものは10b+aなので、
一回操作をすると、9(a−b)となり、9の倍数。よって、9の倍数のみ調べればよい。
18→63→27→45→9
それ以外はこれを途中からたどることになるのでこれが最多(4回)。
また、24→18なので実際に一回操作をすると18になるものがある。
よって4+1=5回。
答:5回
<問>各桁の3乗をすべて足すと元の数になるような1以上の整数を全て求めてください。
(Aの3乗とは、A×A×Aのこと。)
<答>ひたすら調べましょう。適当に場合分けして地道にやれば全て見つかります。
答:1,153,370,371,407
<問>あなたはMATHICに大衆賞を投票する。YesかNoか。
(去年の正答率100%=MATHIC調べ)
<答>答を言う必要はないでしょう。大衆賞を投票してくれた皆さんどうもありがとうございました。
<問>右図で、△ABCは角Aが直角の二等辺三角形、∠PBC=15°、∠PCB=30°のとき、∠PABを求めてください。
<答>点Dを直線ABに対しPと同じ側にABDが正三角形になるようにとる。
∠ABD=60° ―――@
∠BAD=60° ―――A
AB=AD ―――B
また、△ABCが直角二等辺三角形なので
∠ABC=45° ―――C
∠ACB=45° ―――D
∠BAC=90° ―――E
AB=AC ―――F
@,Cより∠CBD=15° ―――G
B,EよりAC=AD ―――H
A,Eより∠CAD=30° ―――I
H,Iより∠ACD=75° ―――J
D,Jより∠BAD=30° ―――K
G,Kより、△BPCと△BDCは合同。
よって、BD=BP.また、△ABDが正三角形なので、BD=AB
よって、AB=BP。
また、∠ABP=30°より、∠BAP=75°
答:75°
<問>右図で、ABCDは長方形で、PQRはQが直角の三角形で、AP=AB、PF=9、FQ=3、PE=4、ER=9です。
このとき、六角形ABERQFの面積を求めなさい。
<答>三角形APFをPを中心に回転させて、AがBに重なるようにする。このときFが移動した点をGとすると、(六角形ABERQFの面積)=(四角形GERQの面積) となる。
PQ=12,PR=13,∠PQR=90°よりQR=5
(三角形PQRの面積)=PQ×QR/2=12×5/2=30
(三角形EQRの面積)=(三角形PQRの面積)×ER/PR=30×9/13=270/13
(三角形EPQの面積)=(三角形PQRの面積)×PE/PR=30×4/13=120/13
(三角形GEQの面積)=(三角形EPQの面積)×GQ/PQ=120/13 ×21/12=210/13
(四角形GEPQの面積)=(三角形GEQの面積)+(三角形EQRの面積)
=270/13+210/13=480/13
答:480/13
<問>一辺1の立方体を、面積Sの正方形で包む。
このときSをなるべく小さくしてください。
<答>面積が八の正方形の正方形で、図の紫の部分を使って覆うようにすれば包めます (ちょうど上の面に四方向から直角二等辺三角形が乗る。わかりにくくてすみません。包むアニメーションとか作れないのでこれで勘弁汗)
一応8が最小であることの証明は出来たのですが、
ここでは難しいので紹介はしません。