TMO2005解答

1

 答:A=2005,B=17

 あまりを二乗するとB-1になったので、B-1は平方数のはずです。
 Bが2桁という条件から、Bは10,17,26,37,50,65,82のどれかです。
 B=10のとき:A÷10が110あまり9なので、A=10×110+9=1109。1108÷9のあまりは1なので、条件に合いません。
 B=17のとき:A=17×117+16=2005で、2004÷16のあまりは4なので、条件に合います。
 B=26のとき:A=26×126+25=3301で、3300÷25のあまりは0なので、条件に合いません。
 B=37のとき:A=37×137+36=5105で、5104÷36のあまりは28なので、条件に合いません。
 B=50のとき:A=50×150+49=7549で、7548÷49のあまりは2なので、条件に合いません。
 B=65,82のときは、Aが5ケタになってしまい条件に合いません。
 よって、A=2005,B=17です。

2

 答:2187通り

 例えば、
 2+2+8、2+2+8+1、2+2+8+1+1、2+2+8+3、2+2+8+3+1、2+2+8+3+1+1、2+2+8+3+3、2+2+8+3+3+1、2+2+8+3+3+1+1の9つの式を考えると、この中で結果が9の倍数になるものはちょうど1つのはずです。なぜなら、これらの式の結果は連続する9つの整数になるからです。(2+2+8 の後に足しているものが、順に0,1,2,・・・,8となっているので)
 つまり、2,4,5,6,7,8,9をそれぞれ0個〜2個足した式を1つ持ってくると、それに対して問題文の条件を満たす式が常にちょうど一個できるので、問題文の条件を満たす式の個数=3×3×3×3×3×3×3=2187 とわかります。

3

 答:26

 この数列に出てくる数を素因数分解してみましょう。
 2×3, 2×5, 2×7, 3×5, 3×7, 2×11, □, 3×11, 2×17, 5×7, ・・・
 どうやらどの数も、異なる素数二つの積になっています。というわけで、答えは2×13=26となります。

4

 答:8:9

 Pを通ってACに平行な直線とBCの交点をB'とし、また、PRの中点をMとします。
 △PQRは直角三角形で、MはPRの中点なので、MP=MQ=MR。MP+MR=PR=BP+CRなので、BP+CR=2×MQ。また、B'PはACと平行になるようにとったので、△BPB'は△BACと相似な二等辺三角形になります。
 よって、B'P+CR=2×MQとなり、MQの長さは、B'PとCRの平均の長さであることがわかります。
 B'PとCRは平行で、MはPRの中点だったので、QはB'Cの中点とわかります。(*)
 よって、AP:BP=CB':BB'=4+4:13-4-4=8:9となります。
 (*):この1行だけの条件だと、もう1ヶ所Qの候補が考えられますが、計算してみるとBQがQCより長いという条件にひっかかることがわかります。

TMO2005 No.4

5

 答:11-20-17-14-15-16-13-18-19-12

 和は小さくても11+12=23、大きくても19+20=39で、この範囲にある素数は23,29,31,37の4つです。
 あとは、しらみつぶしに調べていくとこの解が見つかります。

6

 答:97.5度

 △DABと△AEBはどちらも直角二等辺三角形で相似なので、EB:AB=AB:DB。PB=ABなので、EB:PB=PB:DB。つまり、△DPBと△PEBは、2辺の比とその間の角が等しいので、相似になります。よって、∠BPE=∠PDE。
 また、△APBは二等辺三角形なので、∠APB=∠PAB。
 よって、∠APE=∠PAB+∠PDEとわかります。
 △APDの内角の和は180度なので、∠APD+∠DAP+∠ADP=180度です。・・・(ア)
 また、△ADBの内角の和は180度なので、∠ADB+∠DAB+∠ABD=180度です。・・・(イ)
 ∠ADB=∠ADP+∠PDE、∠DAB=∠DAP+∠PAB、∠ABD=45度を使って(イ)を書き直すと、
 ∠ADP+∠PDE+∠DAP+∠PAB=135度となります。
 この式と(ア)を見比べると、∠APDが∠PAB+∠PDEより45度大きいことがわかります。
 ∠PAB+∠PDE=∠APEだったので、∠APDは∠APEより45度大きいということになります。
 また、∠DPE=120度より、この二つの角の和は240度なので、∠APE=97.5度とわかります。

7

 大衆賞投票してくれた方々、どうもありがとうございました。特別参加団体部門では5位、全体では10位という好成績をおさめることができました。

8

 答:12cm

 D,EをそれぞれAE,ADで折り返した点をD',E'とし、また、辺AB,AC上にそれぞれ△DE'E''、△ED'D''が二等辺三角形になるようにE''、D''をとります。
 ∠ADE=∠AD'E=∠D'D''E、より、∠ADE+∠AD''E=180度。∠DAD''=90度なので、∠DED''=90度とわかります。
 同様に∠EDE''=90度もわかるので、これとDE=DE''=D''Eより、四角形DED''E''は正方形であることがわかります。
 DE:BC=1:9なので、E''D'':BC=1:9。
 E''D''とBCは平行なので、△AE''D''と△ABCは相似。よって、(AからE''D''までの距離)と(AからDEまでの距離)の比も1:9になります。
 つまり、AからE''D''までの距離を□cmとすると、AからDEまでの距離は9×□cmになります。
 また、DEの長さは、直線E''D''と直線DEの間の距離に等しいので、DE=8×□cmになります。
 △ADE=1cm^2なので、(8×□)×(9×□)÷2=1 □×□=1/36 □=1/6
 よって、DE=8×1/6=4/3(cm)、BC=4/3×9=12(cm)となります。

TMO2005 No.8_1

 【別解】
 △ADEの外接円を書いて、AB,ACとの交点をP,Qとすると、円周角の定理などを使ってPDEQが正方形になることがいえます。
 あとは上の解答と同様。

TMO2005 No.8_2

9

 答:31本

 一本のソフトクリームに使われる原料の量を3として考えます。
 条件から、バニラ味の原料の使用量は、イチゴ味の1/3より多く、2/5より少なかったということがわかります。
 イチゴ味が0本、ミックス味も0本のとき:バニラ味の原料の使用量が、0より多く0より少なくなってしまいおかしい。
 イチゴ味が3本、ミックス味が1本のとき:
  イチゴ味の原料の使用量は10なので、バニラ味の原料の使用量は10/3より多く、4より少ない。整数にならないのでおかしい。
 イチゴ味が6本、ミックス味が2本のとき:
  イチゴ味の原料の使用量は20なので、バニラ味の原料の使用量は20/3より多く、8より少ない。
  ミックス味は2本売れたので、バニラ味の売れた本数は(20/3-2)÷3=14/9より多く、(8-2)÷3=2より少ない。整数にならないのでおかしい。
 イチゴ味が9本、ミックス味が3本のとき:
  イチゴ味の原料の使用量は30なので、バニラ味の原料の使用量は10より多く、12より少ない。
  ミックス味は3本売れたので、バニラ味の売れた本数は(10-3)÷3=7/3より多く、(12-3)÷3=3より少ない。整数にならないのでおかしい。
 イチゴ味が12本、ミックス味が4本のとき:
  イチゴ味の原料の使用量は40なので、バニラ味の原料の使用量は40/3より多く、16より少ない。
  ミックス味は4本売れたので、バニラ味の売れた本数は(40/3-4)÷3=28/9より多く、(16-4)÷3=4より少ない。整数にならないのでおかしい。
 イチゴ味が15本、ミックス味が5本のとき:
  イチゴ味の原料の使用量は50なので、バニラ味の原料の使用量は50/3より多く、20より少ない。
  ミックス味は5本売れたので、バニラ味の売れた本数は(50/3-5)÷3=35/9より多く、(20-5)÷3=5より少ない。
  よって、バニラ味の売れた本数は4本で、バニラ味の原料の使用量は4×3+5=17。
  条件から抹茶味の原料の使用量は25.5より多く、34より少ない。
  よって、抹茶味の売れた本数は(25.5-5)÷3=41/6より多く、(34-5)÷3=29/3より少ない。
  売れた本数が一番少ない場合を考えると、抹茶味の売り上げは7本。これは条件を満たす。
  このときの全体の売り上げ本数は4+7+15+5=31本。
 イチゴ味がもっと多い場合:
  全体の売り上げ本数が31本を超えてしまい、最小にならない。
 よって、答えは31本とわかります。

10

 答:18.2倍

 辺BC上に、∠DPC=72度となるようにPをとります。そして、△DPCをDを中心に回転して、△DQAを作ります。
 ∠BAD=126度、∠QAD=∠PCD=54度なので、Q,A,Bは一直線になります。
 △DPCと△DQAの面積は同じなので、四角形QBPDの面積が一辺1cmの正五角形の面積の何倍かを考えればいいことになります。
 四角形QBPDと合同な四角形を、図のように5個並べることを考えます。(∠QBP+∠QDP=180度なので、図のように並べることができます。)
 すると、外側、内側の五角形は、それぞれすべての辺が等しく、すべての角も等しいので、正五角形になります。
 ここで、おのおのの一辺の長さがいくつになるのかを考えます。
 外側の正五角形の一辺の長さはBP+PDですが、△PCDは∠P=72度、∠C=∠D=54度と二等辺三角形になっているため、BP+PD=BP+PC=BC=10cmとわかります。
 内側の正五角形の一辺の長さはQB-QDですが、QB=QA+AB=PC+AB=PD+AB=QD+ABなので、QB-QD=AB=3cmとわかります。
 よって、四角形QBPDを5個並べた図形の面積は、一辺1cmの正五角形の10×10-3×3=91倍なので、ひとつ分では91÷5=18.2倍とわかります。

TMO2005 No.10_1

 【別解】
 辺BC上に、∠DPC=54度となるようにPをとります。(△DPCは二等辺三角形になります)
 すると、∠DAB=∠DPB=126度、DA=DP、DB=DBより、△DABと△DPBは2辺と1つの鈍角が等しいので、合同になります。
 よって、BP=AB=3cm、PC=7cmなので、△DAB:△DBP:△DPC=3:3:7。
 △DPCは、一辺7cmの正五角形を図のように中心から5分割したうちの1つなので、面積は一辺1cmの正五角形の7×7÷5=9.8倍。
 よって、四角形ABCDの面積は、一辺1cmの正五角形の9.8×(3+3+7)÷7=18.2倍となります。

TMO2005 No.10_2

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MATHIC(筑駒中高数学科学研究会)
Last Update - 05/11/27
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